事業テーマは“家族”。新宿で24時間即納と社内一貫生産

※本記事は「月刊 東京グラフィックス 2023年2月号」の掲載インタビューより抜粋した内容となります。

株式会社メイクの事業テーマは“家族”。

従業員が何でも話し合える関係を築き、一致団結して顧客満足を上げていく企業体を表している。

東京都新宿区という立地で、企画・デザインから製版、印刷、製本・加工、梱包・発送までを一貫して提供できる強固な体制は、各工程で働く従業員の互助と連携が土台となっている。

証券印刷で鍛えられた24時間生産と一貫生産

同社は1988年、故・吉満隆文氏が創業した。
当時の主力業務は金融商品関連（以下、証券印刷という）。

機密性と即納が求められる業務で、創業して間もなく24時間製造と、協力会社を活用せずに一社が完結できる一貫生産の体制が形成された。

外債の場合、海外市場の関係上、金利などの条件が良いときに契約書・目論見書のオーダーが入る。グローバルな金融市場は夜でも関係がない。証券印刷の主力印刷機は軽オフセット。それは今でも変わらず6台のRMGT　A3判両面機が稼動している。

同社代表取締役社長の吉満浩隆氏は、「クオリティも必要ですが、それ以上にスピードが求められます。軽オフは小回りが利き、少部数が多い証券印刷に適しています」と述べる。

証券印刷で鍛えられた即納のノウハウと一貫生産の強みは、金融関連以外の領域にも評価され、“短納期に強い印刷会社”のイメージが広がっていった。

都内に生産拠点を持ち、印刷から製本までの24時間体制で、夕方入稿で翌日納品に対応できる印刷会社はほとんどない。発注者が探し回ってメイクにたどり着き、感謝されることは珍しくない。そのため、同業者からの依頼も多い。

メイクの生産現場の主役は各工程で働く従業員である。
創業者が揚げた“メイクは「家族」をテーマとし、現場は何でも話せる環境づくりを心がけ、全社員が団結して問題に対処し、品質の向上に取り組む”基本方針は、常に現場の底流に流れている。

2008年前後に、同社は手狭になった工場の移転を検討。
埼玉県に物件を特定し、地質調査まで完了していた。

最後に全従業員に埼玉県の移転先の勤務についてヒアリングしたところ、3分の2が「難しい」と回答した。もちろん現地で社員を募集することもできたが、「先代は原点に立ち返り、ここに製造拠点を持つ意味を見直し、ここに残ろうと判断しました。

都内でフットワークが良く動けることを全面に打ち出す戦略に切り替えたのです」（同社取締役副社長・三角龍男氏）と従業員の意向を優先した。

社名の“メイク”は、モノづくりと人づくりの想いが込められているという。

「従業員は全て家族です。家族であれば表面的な関係以上の絆が生まれます」（三角副社長）。

2月に菊全4色機が稼動。攻めの設備投資で現場力向上

メイクは昨年から設備の更新を続けている。
昨年9月、12月には無線綴じ機、断裁機、計数機、紙揃え機を入れ替えた。

「ここ数年、設備投資を控えていました。コロナ禍で厳しい状況ですが、効率化は人材の問題に対して攻めの姿勢で設備投資に踏み切りました」

これまでA全5色機（LED-UV／反転付）、A全4色機（LED-UV）、B半4色機（反転付）の印刷設備だったが、今年2月にはA全4色機を更新し、最新鋭の菊全4色機RMGT 970を導入する。

これまで苦手だった厚物を取り込み、内製比率を高めるとともに、新しい需要の獲得を狙う。
導入するRMGT 970には、検査装置、自動見当・色合わせの機能が搭載されている。

「オフセット印刷機の操作を覚えるまでには3年はかかります。難しいと諦めて辞めていくとこもあります。生産効率の向上に限らず、オペレーターの高齢化と若い世代の育成も目的です」（吉満社長）。

現在、証券印刷の割合は2割。
8割が一般的な商業印刷物や冊子印刷物で、発注者の業種は多種に渡る。
吉満社長は設備投資により、これらを支える現場力を強化していく。

ー月刊 東京グラフィックス 2023年2月号」の掲載インタビューより抜粋

企画・制作から印刷、製本、梱包発送までのトータルサポート・サービス。

メイクでは企画・デザインから印刷、小分け配送までのトータルサポート・サービスを展開しています。
もちろん、印刷のみのサービスも承ります。

メイクは、お客様のニーズの三大要素はスピード、ローコスト、ハイクォリティだと考えています。

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土曜、日曜、祝日とも必要に応じて24時間フル稼働しています。

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