名刺の歴史
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「名刺」
名刺は英語で「Business Card」または「Visiting Card」といわれています。
「Visiting Card」は、もともとの個人の挨拶も含めた、訪問・来訪を告げるのが目的。
「Business Card」は、現代の日本のビジネスシーンで使用される、会社名・肩書き・名前などを記したカードです。
現在使われている、91mm×55mmの小さな紙が、いつ、どこから使われるようになったのでしょうか?
中国では…
なぜ「名〝紙〟」ではなく「名〝刺〟」なのか?
これは、中国で木や竹を使った〝刺〟という札を使っていたことが由来とされています。不在の訪問先に自分が訪問したことを伝える手段として〝刺〟と呼ばれる木や竹の札に名前を書いて使われていたからです。
また他には、中国のある皇帝が結婚する際に妻の父親へ自己紹介をする目的で〝刺〟に名前を書いたから。父親への取り次ぎを頼むためなどの複数の説があります。
1984年に三国時代の呉の武将の墓の副葬品の中から、彼の「名刺」が発見されており、これが現存する最古の名刺とされています。
ちなみに、現代の中国では貿易業の方など対外的にビジネスを展開する人だけが名刺を使っており、国内ではほとんど使われていないようです。
ヨーロッパでは…
16世紀のドイツで最初に使われたといわれています。
ドイツでも古代中国と同様に、訪問先が不在であった場合に、訪問したことを伝える手段として、自分の名前を書いたカードを残したことが始まりのようです。
その後、17~18世紀頃になると、貴族の中で流行し社交用アイテムとなっていきました。トランプの裏側に自分の名前を書いたり、銅版画の華やかな図柄が入っているものもあったようです。
19世紀になるとフランスの写真家によって写真入りの名刺も登場しました。
日本では…
日本では、江戸時代から名刺が使われるようになりました。中国と同様、不在時の訪問を知らせるため、和紙に墨で名前を書いていました。
江戸時代末期になると、主に名前と家紋が記された、現在のような印刷されたものが使われるようになりました。来日した外国人と交流を深めるためだったようです。
その後、明治の鹿鳴館時代には上流階級の社交用アイテムとして、昭和以降には身分証の役割も持つようになっていきました。
高度成長期の終わり頃、名刺はカラーになっていき、写真や会社のロゴなどが使われ始めました。名刺の凸版印刷やオフセット印刷が始まったのもこの頃です。
ビジネスシーンに欠かせない「名刺」のお話でした。
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